夕日塔の約束
ポケットから手紙を取り出し、封を切る。


差出人の名前が書かれてない封筒からは、シンプルな便箋が2枚。


1枚目の便箋の1行目を読んだ時………また心臓が止まりかけた。


「………なんで…“あの子”が………?」


夕日塔の時よりも冷や汗が流れ出て、手紙を握りしめる手が微妙に震えた。


なんで……“あの子”がオレに今更手紙なんか………


「夕穂……」


無意識に、元カノの名前を呟く。


この手紙は、絶対夕穂には見せられない。


だって手紙の差出人は………1年前、オレと夕穂が別れるきっかけを作った子…だったから。
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