夕日塔の約束
一瞬…本当に一瞬だけど、宮迫君が“聞くのか?ソレ”みたいな雰囲気を出したけど、気のせいだったのかもしれない。


「日希?来てるけど……なんで?」


日希がヨリ戻したいと言ってから、前よりは少ないけど喋る様になった宮迫君が、歯切れ悪く答えた。


「今日日希、一度も私に話しかけて来ないの。ここ最近は土日以外は必ず1日1・2回は話しかけて来てたのに」


「もしかして…夕穂のモヤモヤの原因ってソレ?」


稚鶴に向かい、首を縦に振る。


あの日から学校休み以外は毎日話しかけて来てた日希が、今日はまだ私の前に現れていない。
< 204 / 323 >

この作品をシェア

pagetop