夕日塔の約束
「アイツ何か隠してるわね!匂うわぁ」


「……宮迫君の事、よく分かるんだね稚鶴。やっぱり………好きなの?」


私が言った途端、稚鶴が凍りつく。


そして目にも止まらぬスピードで、私の肩を掴み、ガクンガクン揺らし始めた。


「何ゆってるの夕穂!私が宮迫 直次を好きなワケ無いでしょ!!」


わざわざフルネームで彼を呼び、必死に否定する稚鶴。


「分かった」を5回繰り返して、ようやく解放して貰えた。


「両思いだと思うんだけどなぁ………」


まだワーワー喚いてる稚鶴にバレない様に、ウルトラ小声で囁いたのだった。
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