夕日塔の約束
それから私と稚鶴は、次の体育の授業を受ける為に教室を出た。


美術は苦手でも、体育は得意な私。


「体育何やるんだろうねぇ?」


「アンタ、テンション高いわね。美術前とはえらい違いだわ」


稚鶴が呆れる程、私はウキウキ浮かれていた。


窓の外では、太陽が天高く立派に輝いている。


ふと、隣にいる稚鶴に視線を移した。


「今日そんなに風強くなくて良かった!髪グッチャグチャになっちゃうもん」


私と日希がつき合い出して、初めて私達を“夕日カップル”って呼んだの……稚鶴だったなぁ。


『アンタ名前“夕穂”だよね?』
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