夕日塔の約束
1年前別れた原因の映像を思い出し、ズキッと心が痛んだと同時に、稚鶴が私の制服を引っ張った。


「この教室の中から、宮迫と下河君の声がする……」


「えっ…?でもA組次英語だよね?」


A組のクラスじゃない教室から2人の声が聞こえるハズが無いと、半信半疑で耳を傾ける。


すると確かに、日希と宮迫君の会話が聞こえて来た。


「……お前、不幸体質なんじゃね?」


ちょっぴり開いた扉の隙間から聞こえた宮迫君の声は、少し疲れがち。


「そんなんじゃねぇよ」


なぜか不幸体質と言われた日希は、もっと疲れてる様だった。
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