夕日塔の約束
宮迫君が言った“あの子”というのが誰だか分からない。


一瞬稚鶴を見るも、稚鶴も頭の中が?で埋め尽くされているらしく、口を開けている。


私は無性に日希に誰から手紙が来たのか知りたくて、両手で胸元を握りしめた。


ちょっと待って………?


まさか日希に手紙を送った人って…………


あの女の子――――…?


もし本当に想像した人物が手紙の差出人だったら……私は耐えられない。


“日希とまたつき合ってもいい”と思えたここ数日の感情が、全部フッ飛んでしまう位、嫌だ。


気がついたら、私はカタカタと震えていた。
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