夕日塔の約束
男子2名は目を目一杯見開き、私達を凝視する。


「夕穂!?遠藤さん!?どうしてこんな所に――――…」


口をパクパクさせながら、私を震える指で指差す日希。


耐えきれなくなった私は、稚鶴と荷物を置いたまま、走り出した。


「夕穂!!ちょっ……オイ待てっ!!」


後ろから、日希の焦った様な声が聞こえる。


直後にドカッ!という音と「イテッ!」という声が続いたので、稚鶴が日希を蹴り飛ばしたのが分かった。


「下河君っ!!アナタどういう事!?アナタあの女と、まだ繋がってたの!?」


よく響く、稚鶴の怒鳴り声。
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