夕日塔の約束
突っ立ってると、夕日塔の6時の鐘が鳴り出した。


その間も私は、日希と女の子の姿を眺めるだけ。


何やら会話してる2人は、私の存在に気づいてなかった。


そして…6回目の鐘が鳴った瞬間―――――…



『――――えっ………』



日希は一緒にいた女の子と、キスしたんだ。


1週間前、私とジンクスをした所と同じ所で、同じキス。


頭が真っ白になり、次第に視界がジワジワ滲む。


『日……希……?』


涙を堪えて話しかけると、日希はやっと私に気づいた。


『夕穂!!』


驚愕の表情の日希は、バッと女の子から離れる。
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