夕日塔の約束
青い顔で呟くオレを、遠藤さんはギロッと物凄い形相で睨みつける。


遠藤さんのやや後ろでは、直次が盛大なため息をついていた。


「1年前自分をフッた夕穂に対する復讐よ!アナタにはそんな権利無いのに!」


「遠藤…やめろ」


「宮迫は黙って「やめろっ!!」」


いつも冷静な直次らしくない、低い声音。


大声を出された遠藤さんは、いつかの様に呆気にとられていた。


「お前達!いい加減に―――…」


またまた先程の男性教諭が教室から顔を出して注意しようとする。


しかし何を考えたのか、直次が遠藤さんをお姫様抱っこした。
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