夕日塔の約束
嫌な予感がした。


“コイツ、何か企んでる……っ!!”


思い切って逃げ出そうとしたけど……遅かった。


『私に逆らうと………野々谷さんが困った事になるよ?』


岸尾が、さっきまでの恥じらいっプリがウソの様に、冷たくクスクス笑いながら言った。


『ハッ………?どういう事だよ?』


『私のお父さんって、野々谷さんのお父さんの今のお仕事の取引相手なんだよね。だーかーらぁーーー……』


楽し気な笑みを浮かべ、オレの耳元に口を寄せる岸尾。


オレの“嫌な予感”はハズれる事無く、ものの見事に当たってしまったんだ。
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