夕日塔の約束
幾ら野々谷家を守りたいからって、本物の彼女との待ち合わせスッぽかして、好きでも無い女と街中を歩いてる。


悲しくて苦しくて吐きたくなった頃―――…巨大な爆弾が落とされたんだ。


『さて、ラストは夕日塔!もちろん一緒に来てくれるよね?』


『夕日…塔……!?』


1週間前、夕穂とジンクスをやったばかりの、オレ等の思い出の地。


そんな所に、なんでコイツなんかと行かなきゃならない!?


『ムリ……誰が行くか』


青白い顔をして、精一杯の声量で反抗した。


だが“取引白紙”を持ち出されたら………逃げられない。
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