夕日塔の約束
結局ムリヤリ夕日塔に連れて来られ、時刻は5時50分。


『ありがとう下河君。お陰でいい思い出出来たわぁ♪』


笑顔で言ってくる岸尾を、人生最高レベルで睨みつけた。


『全部従ったんだ。夕穂のお父さんの仕事に悪影響を及ばせる様な事はしないでくれよ』


これでやっと、解放される……


冷たい声で、極悪非道な女に釘を刺し、さっさと立ち去ろうとした。


『えーーー、もうすぐ6時だよ?』


『……だから?』


『ホラ、鐘鳴り始めた…コレで最後っ♪』






“最後”だったのは


オレの方だった。




「夕穂……」
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