夕日塔の約束
散々探し回って、ようやく教材室で泣いてる夕穂を見つけた。


オレが来た瞬間、夕穂の真っ赤な目が見開かれる。


勢い良く立ち上がった夕穂は、オレを押し退け教材室から出て行こうとした。


「待っ……夕穂!!」


「離してよ!!」


1年前と同じ光景に、胸がズキズキと痛んだ。


あの時も………夕穂は涙目でオレを呆然と見つめてた。


慌てて岸尾から離れるが走り出され、爆走して追いかけた。


スポーツ万能な夕穂でも、現役陸上部員のオレよりは遅く、パシッと腕を掴んだんだ。


泣いて逃げたがる夕穂、必死に止めるオレ。
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