夕日塔の約束
机の上に教科書を置きながら、頭を抱えるオレ。


「いいんだよ。アイツの事なんか気にしないでいいから」


極普通に言い放った直次に、ため息が出た。


「お前……遠藤さんに失礼じゃねぇ?口悪いの直せって」


「オレ、自分がそんなに口悪いとは別に思って無いけど」


「…コラ、ホントは自覚あんだろ」


高校に入って2年目……直次とは1年生の時も同じクラスだった。


遠藤 稚鶴と宮迫 直次と言えば、うちの学年の成績トップのライバル同士。


いつも首位争いをしている2人は、小学校と中学校も同じ学校だったらしく――――……
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