夕日塔の約束
何も言わずに、ちゃんと答えなければいけない。


そんな風に思えさせる目力が、そこにはあった。


「………思った」


手をモジモジさせ、俯いて答えた。


ダメだ………


ずっと悩んで苦しんで来た時の記憶が、パッパッと蘇る。


クラスメイトとの恋愛話は出来るだけ黙って聞き役に回り、学校じゃ日希を避けてた。


思い出してる内に、目の前が歪み始める。


「フッ……」


何となく宮迫君には泣いている所を見られたくなくて、コシコシと目を擦った。


もうヤダ……


宮迫君、なんで今こんな事聞いて来るの………?
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