夕日塔の約束
夕日塔を1人でポツンと見上げていたのは――――…日希だった。


「日希っ!!」


「………えっ?ウォア!?」


クルッとこちらを振り返った日希に、走ったまま抱きついた。


グラリとバランスが崩れて、2人共倒れそうになる。


しかし日希が頑張ってくれた為、どうにか転ばないで済んだ。


「ゆ……夕穂……?どうして………」


いきなり私が抱きついて来た事に呆気にとられている日希が、私を引き離そうとした。


「………嫌」


「え?嫌って…何が?」


「もう……アンタと離れたくないのっ!一緒にいたいのっ!!」
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