夕日塔の約束
ソッと、夕穂の目元とホッペの中間位の位置に口づける。


夕穂は嬉しそうに笑い、小さく「ありがとう……」と囁いた。


そして、チラッと夕日塔を見つめる。


夕日塔の時計盤は、もうすぐ午後6時を示そうとしていた。


「夕穂………もう離さないから、離したくないから、お前こそ傍にいてくれよ?」


「うん………傍にいる。誓うよ……」


指と指を絡ませ、2人で微笑み合う。


丁度その時、夕日塔の鐘が鳴り出した。


1回…2回……


「夕穂…好きだ」


3回…4回……


「私もだよ…日希」


5回目の鐘が鳴り終わる。
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