夕日塔の約束
ラストの6回目の鐘が鳴り出し、ソレ以外は何も聞こえなくなった。


目を閉じたオレの唇には、暖かい感触。


その感触の正体はもちろん夕穂の唇であり、夕穂も目を瞑ってる。


唇が離れた瞬間、オレはまたまた夕穂を抱きしめた。


「明日はどこ行こっか……?」


「映画…観たい」


「了解。待ち合わせ、遅れんなよ?」


「うん…」


極普通の、ありふれた日々。


だけど“普通”がどれ程ありがたいのか、オレ等は身に染みて分かってる。


夕穂。


どうかどうか、これからも


ずっとオレの隣で、微笑んでいていて下さい。









――――END――――
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