夕日塔の約束
「“あの時”の事はお前等2人の問題だから、オレがゴチャゴチャ口出し出来ないのは分かってるよ日希」


直次が何か分からないモノを秘めた目で、窓の外を眺める。


9月上旬の外は、秋の入口といった感じで、キレイに透き通った青空だった。


「だけどいつまで心の中に置いとくつもりだ?“野々谷 夕穂”を」


「直…次………」


「完全に心の中から追い出すか、それか全く反対の事をしろ。もう1年も経ったんだから………」


弁当を食べ終えた直次は最後にチラッとオレを見ると、自分の席に戻って行った。


オレの弁当はまだ少し残ってる。
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