夕日塔の約束
一応他のクラスは授業中なので静かに扉を開けると、書物の独特のニオイが鼻に届いた。


いつも大体生徒がいるのだが、もちろん今は誰もいない。


「お邪魔しま~~~すっと」


ゆっくりと体を室内に入れて、扉を閉めた。


何か…誰もいない図書室って、不思議な雰囲気が漂ってるな。


「オバケでも出んじゃねぇか?クククッ……」


自分の考えを笑って、ズラッと並んでる本を見て行く。


適当に面白そうな本を選んでると…………


「―――ヒック……」


誰かの泣き声が聞こえた。


ハッ!?誰もいないと思ってたのに…いるのか!?
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