夕日塔の約束
衝撃的な事態について行けずに、瞬きすら忘れて泣いてる夕穂を見つめ続けた。


もう1回だけでいい。


後1回だけでも“日希”と呼んで貰えたなら、オレは……!!


「フッ…日希……」


――――神様。


コレはアナタがくれた、“チャンス”なのでしょうか?


1年前、オレが傷つけてしまったあの子を………オレは今度こそ守りたい。


また…傍で笑って欲しいんです。


「ハァ……教室帰ろう」


泣き止んだ夕穂が、こちらに歩んで来る。


前だったら慌てて隠れてたけど、オレはもう後悔したくない………!!


「夕穂……っ!」
< 40 / 323 >

この作品をシェア

pagetop