夕日塔の約束
スゴく悲しそうな顔で頼まれて………抵抗が止まってしまう。
「頼む……夕穂………あっ……野々谷…………」
自分で言ったのに、いざ“野々谷”と呼ばれるとチクリと胸が痛む。
でも気づかなかったフリをして、まだ掴まれてる手首を見下ろした。
「……分かった。ちょっとだけなら……」
「ホントか?」
「その代わり、手離して。5秒以内に」
一定の低さの声で言いつけ、男の子を睨んだ。
少しの間があった後、手首が解放される。
「じゃあ…こっち……座って話そう」
たくさんある図書室のイスに、隣同士で座った。
「頼む……夕穂………あっ……野々谷…………」
自分で言ったのに、いざ“野々谷”と呼ばれるとチクリと胸が痛む。
でも気づかなかったフリをして、まだ掴まれてる手首を見下ろした。
「……分かった。ちょっとだけなら……」
「ホントか?」
「その代わり、手離して。5秒以内に」
一定の低さの声で言いつけ、男の子を睨んだ。
少しの間があった後、手首が解放される。
「じゃあ…こっち……座って話そう」
たくさんある図書室のイスに、隣同士で座った。