夕日塔の約束
ガタン!!


私があまりにも素早く立ち上がった為、座ってたイスが大きな音をたてて後ろに下がった。


「えっ?夕……野々谷?どうした?」


驚き顔で問いかけて来る彼を横目で見るも、ササッと逸らす。


ザワザワする心を平常に戻したくて、左手で右肘の部分を強く握った。


「………もう帰る。それじゃあね……」


それだけ言って図書室から出ようとするも、納得してくれるハズが無い。


「待、待てよ野々谷!まだ話したい事あるんだよ!!」


すぐに前に回られ、進めなくなった。


「ちょっとだけって言ったでしょうが……」
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