夕日塔の約束
「私とアンタはもう関わり無くなったんだから……充分でしょう?そんではサヨナラ“下河君”」


ピキッと、空気が凍った様な気がした。


私がコイツを最後に“下河君”と呼んだのは、つき合って呼び捨てに変えた日以来。


彼は青ざめた顔をしたまま、固まっていた。


あーーー…何だろ。


『怒り』・『悲しみ』・『混乱』……たくさんのものが混じって頭がゴチャゴチャだ。


何も無かったかの様に教室戻って、稚鶴と話し込んで気持ちを落ち着かせよう。


じゃなきゃ…残りの授業、まともに受けれる気がしないから……


「……バカ」
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