夕日塔の約束
強く言い放ちたかったのに、俯きながら弱々しくしか言えない私。


すると……


「また信じてくれる様に頑張るから」


ヤツが膝を折り、私と同じ位の目線に合わす。


なぜか自然と、顔を上げて目を合わせてしまった。


ああ……


この人のこの目………別れた時と同じ目だ。


「幾ら時間がかかっても、頑張ってまた笑って貰える様にする………だからお願いだ」


トン…と右肩ら辺にオデコをくっつけられ、私の体温は急上昇。


昨日までだったらこんな風になったら、絶対突き飛ばしてたのに―――…


私、どうしちゃったの………?
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