夕日塔の約束
突然の大声に目をパチッと開け、飛び上がる。


カーテンの隙間から、朝の光がサンサンと降り注がれていた。


「え?ここどこ?」


「は?どこってアンタの部屋に決まってるでしょう!何寝ぼけてんの!!」


目の前には、プリプリ怒る私の母親。


パニックになりながらキョロキョロしてみると、確かに私の部屋だった。


「………あっ…夢か……」


今まで見てたのは、全部夢。


理解した途端に、肩の力が抜けた。


「さっさと起きて朝ご飯食べちゃって。後片付け出来ないじゃない」


「ハーーイ…」


母親が部屋を出ていく。
< 85 / 323 >

この作品をシェア

pagetop