抱きしめたら充電完了!

「いたいっ!いたいよ……えーと名前」


「あ、紅林俊輔。引っ張ったけどコンセントは抜けないか」


俺は自分の手と加奈子ちゃんの髪の毛を交互に見た


「もうっ、痛かったんだから」


「ごめん」

むーっとして窓の外を見る加奈子ちゃんは子供みたいだなと思い


俺はちょっと笑った


「俊輔……」

でも今度は悲しそうな顔で外を見たから
俺が笑ったのが嫌だったんだろうなと思ったんだけど


「どうした?」


「……お腹すいた」


と切な顔でいうから突拍子抜けてまた笑った


「ここら辺、お店わかる?」


「……わかんない」


「じゃ、今からいってみよっか」


後ろをついて歩く加奈子ちゃんに首だけひねって聞くとうんっ!


と無邪気に笑った


……人って笑顔に弱いなぁ……
赤くなった顔はきっと夕日のせいだ
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