初恋図鑑【完】
「うわぁ〜懐かしい!安藤元気だった?」
ニコニコと笑うイケメン…いや、五十嵐君。よく見れば確かに当時の面影がある。
元気?そんなわけないじゃん…
私は、顔を青ざめた。
「なぁ、小学校の奴らって元気にしてんの??」
そんな私に気付かない五十嵐くんは、私に質問を重ねる。
…あの時のこと…覚えてないの…?
ちらりと五十嵐くんを見ると、何?という風に首をかしげていた。
…覚えてないんだ…
少しだけホッとしたが、同時に寂しくも感じた。五十嵐くんにとって私はその程度の存在だったんだ…と。