初恋図鑑【完】
「はぁ…あんたね〜ネガティブすぎたよ…心は、かわいいし、いい子なんだから!もっと、ポジティブに!ね?」
…真理にかわいいって言われてもな…
ジトーッとした目で見つめると、真理は、ん?と首を傾げてきた。
その仕草は、胸きゅんもの。
「…真理こそ…鏡見たほうが良いよ…」
今度は、私がため息をつく番だった。
「それに、初恋は、叶わないっていうしさ…」
私は、そう言ってニコッと、微笑んでみた。
「心……よし!!今日は、真理ちゃんがおごっちゃう!!出血大サービスよ!!ほら!なんか食べたいものとかある??」
真理のこういう所が私は好きだ。
私のために一生懸命になってくれる。
そして、何より、相手の気持ちを考えて行動してくれる。
真理と友達になれて本当によかったと改めて感じた。
「…真理ありがとう」
ぽそりと呟いた声が真理に届いたのだろう。
「どーいたしまして」
優しい笑みを浮かべて真理は、そう言った。