初恋図鑑【完】
瞬時に顔が熱くなった。
こんな形でバレるなんてこれっぽっちも思っていなかったから…。
「てか、お前は、どうなん?心のことどう思ってんの?」
その子に問い詰めるように聞く男子の言動に胸が高鳴るのを感じた。
…私のことどう思ってるんだろ…
しかし、その子の言葉は、私が望んでいたものには程遠かった。
「………………別に、好きじゃないし」
ズキッ
その子の一言に胸が痛む。
それと同時に熱いものが込み上げてきた。
「…っ、ふぇ…」
ポロポロと頬を涙が伝う。
…すると、さっきまでその子に話していた男子がようやく入り口にたたずむ私に気が付いた。
「っ!心!?」
泣いている私に慌てたように目を見開く男子。
「えっ…」
そう声を漏らし、驚いたように目を見開くその子と目があった時、私は、逃げ出していた。