初恋図鑑【完】
『こ、心…でよっか…?』
呆然と立ち尽くす私を心配した真理がそんな言葉をかけてくれた。
『ううん…大丈夫だよ』
しかし、私はその言葉に首を横にふった。
どうせ…学校では、毎日顔をあわせるのだから…こんなことくらいで逃げてたらダメだと感じたからだ。
…そうだよ…逃げたらダメだ…どうせ、五十嵐くんは、あの時のこと覚えてないんだ!
私は、気合いを入れると、店内へと足をすすめた。
私の隣で未だに心配そうな表情で真理が顔をくもらせている。
『真理…心配しないで?』
私は、真理にそう言って、ニコリと微笑んだ。