初恋図鑑【完】
その時ニヤリと、五十嵐くんが笑ったような気がした。
え…?
慌てる私を余所に五十嵐くんは、私たちが座っている席へと足をすすめてくる。
な、何?
すると、五十嵐くんは、私たちの席の前で立ち止まる。
そして、
『あれ?安藤じゃん!どしたの?こんなところで??………えっと、確か…渡辺さんだよね?同じクラスの…安藤の友達なんだ』
まるで、何事もなかったかのように私たちに話し掛けてきた。
爽やかな笑みを浮かべて…。
真理はというと、いきなりの出来事に目をぱちくりさせている。
私は…何もしゃべることがでず、ただただ下をむいていた。