初恋図鑑【完】
『…え?』
たらりと冷や汗が流れる。
『…まだいいじゃん!安藤と会うのも久しぶりだし。オレも話したいことあるんだよね』
有無を言わさない笑顔で五十嵐くんは笑った。
『…う、うん』
私は、帰るのを諦めて元の席に着く。
内心、何の話だろうとドキドキだった私。
な、何の話だろう…?
そんなことばかり考えていた。
…すると、五十嵐くんが思い切ったように口を開いた。
『……あのさ、今日の入学式の時来なかったのってオレのせい…かな?』