初恋図鑑【完】
*リレー選手
―――
その日を境に五十嵐くんとしゃべることもなくなった。
真理は、時々心配そうな表情を浮かべるけど…私は元気だ。
『あっ、安藤さん!ちょっといい?』
『真島くん…?いいよ〜何?』
真理と廊下を歩いていると、隣のクラスで中学が一緒の真島くんに声をかけられる。
…そう、私が一時期憧れていた例の彼だ。
『ちょっと聞きたいんだけど安藤さんたちのクラスの体育祭実行委員って誰?実は、オレ委員になっちゃってさぁ〜先生から伝言頼まれてんだよね…』
真島くんは、苦笑いを浮かべている。
『わぁ〜真島くん、どんまい』
真理も憐れみの目を真島くんに向けた。
『あはは…頑張ってね…確かうちのクラスって…』
私がそう言い掛けた時、
『オレだけど?』
私の後ろからそんな声が聞こえてきた。