初恋図鑑【完】
『は?』
意味がわからないといった表情で真理を見つめる五十嵐くん。
それに対し、真理は…
『いいからちょっと来なさいよ』
有無を言わさない声色で五十嵐くんを睨み付けていた。
…真理…怖い…
あのかわいらしい真理の突然の豹変ぶりに驚いたのか…五十嵐くんは、ズルズルと呆気にとられた表情で真理に引きずられていった…。
…五十嵐くん…どんまい
真理があの声色を出すのは、超絶怒っているときだけだ。
私も何度かあのバージョンの真理にお目にかかったことがあるが…尋常じゃないくらい怖い。
私は、心の中でそっと、五十嵐くんの冥福を祈った。