初恋図鑑【完】
五十嵐Side
『ちょ、ちょっと待てって!なんなんだよ!?いきなり!』
オレは、今、心の友達(…確か渡辺)に引きずられ、校舎裏に連れてこられていた…。
慌てるオレに対し、渡辺は、冷ややかな声でしゃべりはじめる。
『なんなんだ!は、こっちのセリフよ!!あんた…なんなわけ?心にちょっかい出したかと思えば…いきなり無視するなんて…心が傷ついてんのわかんないわけ??とにかく…私は、心を傷つける奴は絶対に許さないから覚えときなさいよ!!私が言いたかったのはそれだけ!』
憤慨したように一気にまくしたてると渡辺は、オレを睨み付けながら去っていった。
『……わかってんだよ…そんなこと…』
オレは、ポソリとそう言うと、校舎の壁に寄りかかった。