初恋図鑑【完】
『え〜と、じゃあ、まず…みんな、あの人だったら絶対大丈夫って思った競技にその人の名前言う推薦方式でいくよ。もちろん、自己推薦もあり。じゃあ、今から黒板に競技の名前書くから遠慮なく推薦してって』
五十嵐くんの声にみんな納得したように頷いた。
さっきまでと打って変わっての団結ぶりに…焼肉の力を見せ付けられた気がしたのは私だけだろうか…?
担任も嬉しそうに、うんうん、青春だ!なんて言っている。
…先生…みんな、焼肉食べたいだけだよ。
そんなことを考えていると。
『はい。競技の名前書いたからみんな注目して。』
五十嵐くんの声が響いた。
…どれ出よう…
ちなみに、黒板に書き出された主な競技は、
玉入れ
綱引き
借り物競争
100メートル走
50メートル走
色別対抗リレー
クラス別リレー
……
など。
てか…どんだけ走るの好きなんだよ。
私は、心の中で冷静なツッコミをいれる。
『あ。ちなみに色別対抗リレーは、各クラスで一番速い男女1名ずつね…先生、この前の50メートル走の結果教えて』
…この前の体育で計ったやつのことかな…?
そう、それは、一昨日のこと。
体育の授業中に突然50メートル走を計ったのだ。ちなみに体育の担当は、我が担任…。
最初は、みんなやる気なさそうに走っていたのだが、先生が本気で走ったやつにはいいことがあるとかなんとか言って…まぁ、要するに丸め込まれたのだ。
私も結構頑張ったつもり。