初恋図鑑【完】
『……心に手出さないでください』
そう言って、オレは軽く翔先輩を睨み付けた。
『何で?五十嵐に関係ないだろ?彼氏じゃないんだし?…てか、やっぱりお前、心ちゃん好きなんだ…くくっ。わかりやすい奴。』
笑いを堪える先輩に益々、イライラする。
なんなわけ?オレをからかって楽しんでんのか??
未だにクスクスと笑いを堪える先輩を睨む。
『睨むなって!…まぁ、そういう事だから覚えといてね!』
何が『覚えといてね』だよ!!
ふざけんな!!
オレは心の中でそう毒を吐いた。