初恋図鑑【完】


だからなのかも知れない。


『…送る』



その言葉を呟いたのは…。




けど、心は、驚いたように数秒固まった後、


『大丈夫だよ!家も近くだし』



その口から出てきたのは否定の言葉だった。



…何傷ついてんだよ…オレ…



無性に悲しくなった。



心がオレを拒否したことに。




翔先輩にとられてしまう…。



オレは、焦っていた。



だから……言ってしまったんだ。


『好きだ』



と。



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