初恋図鑑【完】
確か、オレにそう聞いてきた男子も心のことを好きな奴の1人だったと思う。
オレが好きじゃないと言った瞬間、ホッとしたのがわかったし…。
でも…この時心がこの会話を聞いていたなんて夢にも思っていなかった。
『心?』
そう言った友達の焦った声を聞いた瞬間、オレは、振り向いていた。
え…?
そう…そこには…目に涙を浮かべた心が立っていた…。
嘘だろ?
今の会話が聞かれていたのかもしれないと思うと血の気が引くのを感じた。