初恋図鑑【完】
『てかさ、ウチらのクラスの男子の中で五十嵐くんダントツだよね!?』
『うん、うん!!でもさ〜、な〜んか前の席の安藤さんだったけ?とめっちゃ親しそうにしてたよね〜』
『あぁ〜!あれ、ムカついた。ブスのくせにさ〜ちょーしのんなって感じ!』
きゃははと、周りの人の迷惑を考えずに甲高い笑い声をあげる白石たち。
くだらね…てか、悪いけど…オレがお前ら好きになることは、絶対ないわ。
『――ねぇ〜、安藤あんましうざかったらちょっとシメない?』
さすがにそれには血の気が引いた。
『おっ!いいね〜』
『さんせ〜い』
マジかよ…?嘘だろ…
オレは、焦っていた。オレのせいでまた心を傷つけてしまうかもしれない。
そう感じたから。