初恋図鑑【完】


『てかさ、ウチらのクラスの男子の中で五十嵐くんダントツだよね!?』


『うん、うん!!でもさ〜、な〜んか前の席の安藤さんだったけ?とめっちゃ親しそうにしてたよね〜』


『あぁ〜!あれ、ムカついた。ブスのくせにさ〜ちょーしのんなって感じ!』



きゃははと、周りの人の迷惑を考えずに甲高い笑い声をあげる白石たち。



くだらね…てか、悪いけど…オレがお前ら好きになることは、絶対ないわ。





『――ねぇ〜、安藤あんましうざかったらちょっとシメない?』



さすがにそれには血の気が引いた。



『おっ!いいね〜』


『さんせ〜い』



マジかよ…?嘘だろ…



オレは、焦っていた。オレのせいでまた心を傷つけてしまうかもしれない。



そう感じたから。



< 77 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop