初恋図鑑【完】
*そして…
*そして…
『――というわけ』
五十嵐くんの話を最後まで聞いた私は放心状態だった。
『……ゴメンな…驚いただろ?こんなガキみたいなオレのことなんて嫌い…だよな…マジ…オレかっこわるい…好きな子のこと…傷つけてばっかだし…』
不安そうに顔をくもらせる五十嵐くんに私は首を横にふった。
『……あのね…私…小学生のあの日から…ずっと五十嵐くんのこと好きで…高校に入った最初の時…内心、会いたくないって気持ちもあったけど…会いたかったって気持ちもあって……好きじゃないって思い込もうとしてた。もう傷つくのは嫌だったの…。』
『……』
『…でもね…やっぱり好きで…忘れられない気持ちが強かった。友達でいいから話したいって内心ずっと思ってたんだと思う。この前、五十嵐くんに告白された時…嬉しい反面…不安だったの…また傷つくんじゃないかって…でも、自分から聞く勇気もなかった』
『…うん……』
『……だから…今言わせて??私も……私も五十嵐くんのことが…好きです…守ってくれて嬉しかった。ありがとう』
そう言って微笑んだ。