初恋図鑑【完】
次の瞬間、私は、五十嵐くんに抱き締められていた。
『い、五十嵐くん…!?』
焦る私にお構い無しに抱き締める力を強める五十嵐くんは、消え入りそうな声で
『……頼りないかもだけど……オレと付き合ってくれない?…心のことオレが守るから』
そう言ってくれた。
『!!…はい…でも、いざという時は、私が五十嵐くん守るよ?』
そんな私の言葉に五十嵐くんは、柔らかく微笑んで…私も自然と笑顔になる。
『あとさ…名前で呼んでよ…心』
『…えっ…!』
『オレだけ名前呼んでんだもん…オレも呼んでほしいんだけど?』
…だもんって…可愛すぎる!!
みるみる顔が赤くなるのを感じた。
『………そ、そ、颯太…くん…』
『ん?…くんはいらない』
…それは、もう一回呼べってことですかね…?
私にとってはいきなりハードル高すぎるわ!!
と、内心思いつつも、五十嵐くん…いや、颯太の嬉しそうな顔を見ると何も言えなくなる。
私は、意を決して口を開いた。