初恋図鑑【完】
『そ…颯太?』
なぜか疑問系になってしまったが…まぁ、このさい気にしない。
ちらりと颯太を見ると…
顔が赤いのが一目でわかった。
『ぷっ…照れてる?』
『……うるさい…あんま見ないで…』
プイッとそっぽを向く颯太に自然と笑いがこぼれてしまう。
『……ばかにしてない?』
『ふふっ!してないよ』
肩を震わせて笑いを堪える私を呆れたように見る颯太。
『…だから笑いすぎ』
『ふふ、ご、ごめん…』
『……心…』
ふと、名前を呼ばれた。
不思議に思って私が顔をあげた瞬間、颯太の顔が近づいてきた。
!!!
ビックリして固まる私を余所に颯太の顔はどんどん近づいてくる。
私も颯太を受け入れて目を閉じようとした時だった。
ガサガサッ
茂みから音がしたのは…。