あなただけを愛したい
一目惚れ
キーンコーン……
「よしっ、今日はここで終わりだ。今日の日直は……土原」
「は、はいっ!」
「全員のノートを集めて、数学準備室まで持ってきてくれ」
「はい、わかりました」
やった!
数学準備室には、この高校に入学してからの約二年半、ずっと想い続けてる先生がいる。
といっても、今教壇に立っていた椎名先生とは別人。
椎名先生は28才で、先生の中では若い方だし、髪も短髪で爽やか系だから人気があるけれど、あたしが想いを寄せている人は──
あれは一年の時。
入学してようやく一ヶ月が経ち、この高校生活にも慣れ始めた頃だった。
親友の祥子(ショウコ)と体育館へ続く廊下を歩いていた時、
『わぁー!』
『あははは!』
外から騒がしい声が聴こえてきた。
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