あなただけを愛したい
なんで?


意味が、わからない。



「あたし、……亜衣じゃないよ?」


「知ってる」


「あたし、……先生と同じ高校の生徒だよ?」


「それも知ってる」


「あたし、……先生のこと……騙してたんだよ?」


「……騙されてたなんて思ってねぇから」


「……」



夢のような言葉の羅列に、これはほんとは夢なんじゃないかと、頭の中が混乱してくる。



「柑那のことは、さっきの店で見たのが、初めてだったんだ」



さっきの店?


梨花ちゃんのお店?



「俺、街で子供相手に楽しそうに笑ってる君に、一目惚れした……って言ったの、覚えてる?」



コクンと頷く。



「それは、あの店でバイトしていた、柑那だった」


「え」


「あの頃、お姉さんの名前でバイトしてたんだって?」


「それ、……誰に聞いたんですか?」
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