あなただけを愛したい
この車に乗った時は、先生に嫌われたんだと思っていたから、不安で胸が痛くて、どきどきしていた。


でも今は……


先生の信じられない言葉に……


胸が高鳴り続けている。


さっきの言葉……


ほんとなの――…?




しばらく走って着いたところは……



「降りて」


「はい」



何もなくて真っ暗。


ちょっと、怖いかも。


足を前に出せずにいたら……


先生は、海へ行った時みたいに



「ほら」



と言って、左手を差し出してきた。


躊躇いながらも、その手にあたしの右手を重ねる。



ドキドキドキドキ……



ほんとにヤバい。


このままだったら、あたしの心臓は、……いつか壊れる。


左手で胸の辺りを押さえながら、手を引かれて歩いていく。
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