あなただけを愛したい
「……あたし、……ずっと、先生のことが、好きだった。入学して、一ヶ月くらい経った頃から……」


「“好きだった”って、……過去形?今は?」


「過去……じゃないっ、……今も、好き。……大好きっ」



言ったとたん、先生への想いと一緒に涙も溢れてきた。



「泣くなって」



そう言って……


ぎゅっと抱き締められた。



ドキドキドキドキ……



あたし今……


大好きな先生に……


抱き締められてる。


信じられない。


こうやって、想いを伝えてくれたことも……


こうやって、抱き締めてくれていることも……





しばらくそうしてたら……



「柑那」


「……はい」


「俺と、……付き合ってほしい」


「えっ」



少し緩められた先生の腕……


そのまま先生の顔を見上げると……



ドキンッ――…



そこには……


“亜衣”に見せていた……


凄くやさしい表情。
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