あなただけを愛したい
「呼び捨てでいいって」


「で、でもっ!」



先生の方が七才も年上だし……



「柑那は俺の彼女だろ?」



ドキンッ――…


そういうの、ヤバい。


まだ“彼女”だって、実感もないのに……



「ほら、練習」



練習とか言われても……


そんなに年上の人を、呼び捨てにしたことがないから。


しかも先生なんだよ?



「柑那?」



あーっ、もう言っちゃえ!



「……こ、航」



言ったとたん、顔がかぁぁっと熱くなるのを感じた。



「言えるじゃん。これからはそう呼べよ?」


「……」



うぅ、恥ずかしい。



「そうだ!敬語もなしな?」


「敬語?」


「ん」


「努力はします」


「早速使った」


「あっ、……ほんとだ」


「まあ、ゆっくりでいいか」
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