あなただけを愛したい
学校への道を歩きながら、胸はどきどきしっぱなし。


学校が近くなればなるほど、周りの視線が気になる。


やっぱり……


やめとけばよかったかな。



「あれ?柑那じゃん」



後ろからそう声をかけられて、振り向くと……



「……竜一」



中学の時に付き合ってた元彼がいた。


てか、なんか……


雰囲気が変わった。


元々、かっこよかったけれど、幼さが抜けて男らしさが増したというか……



「おまえ、携帯替えたんだろ?」


「え、……うん」



少しきつめの口調で言われたけれど……


何で怒ってんの?



「今日卒業式だろ?」


「うん」


「夕方でも夜でもいいからさ、ちょっと会ってくんねぇか?話ある」



夕方は航と会うつもりだし、夜は家族でお祝いする予定なのに……



「とりあえず、番号教えて?」



そう言って強引にあたしの携帯を奪って、赤外線で交換し始めた。
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